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2022.08.30

【潮流】国益の毀損はいつまで続く

 政府は水際対策を一部緩和し、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種3回以上の者に対して、9月7日から日本入国・帰国時の出国前PCR検査による陰性証明の廃止を決定した。これにより、日本人海外旅行者は帰国時のPCR検査による陽性判定が出た場合の現地隔離がなくなった。
 ようやく米国と同じく、ワクチン接種完了者に対する陰性証明は不要となったものの、1日の入国者制限の引き上げ、訪日外国人へのビザ免除、管理型旅行の規制緩和などは最終決定が遅れている。
 松野内閣官房長官は、「日本から海外の渡航者が帰国時の陰性証明書の取得に不便が生じている状況にある」として、まずは日本人の海外旅行者向けにワクチン接種の条件付きで陰性証明を廃止としたと説明した。
 出国72時間以内のPCR検査が、日本人の海外旅行の意欲を削いでいることは間違いない。検査費用は掛かるし、グアムやサイパンのようにPCR検査費用を無料とするサービス支援があっても、結果的に陽性になれば、滞在・帰国費用は掛かる。保険で賄うにしても、自分自身や家族が検査で陽性になった場合のことを考えると、精神的に海外旅行に二の足を踏むことは理解できる。