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2023.11.13

【潮流】コロナ明けの新事業と再編

 KNT-CTホールディングスの2023年4-9月期の中間決算は、コロナ禍後で増収増益となったものの、最終利益は前年同期比7.5%増にとどまった。当初の通期見通しを据え置き、売上高は前期比1.6%減の2482億円、営業利益69%減の35億円、最終利益75%減の30億円を見込んでいる。国内旅行は全国旅行支援の終了による反動減、海外旅行はコロナ禍前の50%水準の回復遅れ、そして前期に過去最高利益を生み出した要因の新型コロナウイルス関連の受託事業が感染の収束、過大請求による取扱減で縮小したことが大きい。
 大手旅行各社はコロナ禍以前から地方創生事業に乗り出していたが、コロナ禍による官公庁、地方自治体からの新型コロナ感染のワクチン注射等の受託事業の取扱いが急増し、通期業績改善に大きな効果をもたらした。従来の旅行事業とは全く異なる収益性の良さから業績は一挙に好転したが、やはり、これは「特需」だった。
 旅行会社が強みを生かして、地域社会や企業・法人の課題解決を支援する「ソリューション事業」を新たな事業の柱とすることは正しいと考える。様々な見方があると思うが、団体旅行・教育旅行による地域・企業・学校などとのこれまでのネットワークを生かした派生事業であり、それが新たな事業として育ってきたものと思う。