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2023.11.27

【潮流】海外旅行の主役はHISか

 新型コロナウイルス感染症が流行した2020年から3年を経て、旅行業界の経営環境は難しい局面を迎えている。コロナ禍で旅行事業が消滅した中で、国内旅行のGo Toトラベル事業、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種などの受託事業で凌ぎ、逆にそうした受託事業の収益性の高さから、かつてないほどの利益も生み出した。
 だが、JTBの9月国内旅行取扱額は前年比51%減の782億円と半減した。コロナ前の2019年同月比では6%減とコロナ前水準に近づいているが、22年は1カ月間で1500億円以上の取扱額を上げたことになる。JTBは国内受託事業などを国内旅行分野に組み入れており、コロナ関連受託事業の取扱額がいかに大きなものだったかが分かる。
 近畿日本ツーリストも9月の取扱額のうち、受託事業を加えた関連商品は前年比70.4%減の23億円と前年の3割に満たなかった。コロナ前の2018年10月比では5割増の取扱額だった。大手旅行会社の受託事業は、日本旅行も9月の付帯事業取扱額が49%減の21億円、東武トップツアーズも9月のその他取扱額が89.7%減の17億円と大幅に減少した。