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2024.04.08

【潮流】海外旅行回復に「手詰まり感」

 2023年の日本人海外旅行者数は、コロナ前の2019年比47.9%の962万4100人と50%を割り、1000万人に届かなった。それを受けて、2024年は19年比7割台の回復、1500万人前後が予想されている。しかし、2024年1〜2月の日本人海外旅行者数は60.8%と現状は6割程度。まだ気は早いが、1500万人の水準に達するには相当のテコ入れが必要に思える。
 政府・観光庁は観光立国基本推進計画で、2025年までに2019年の2008万人の水準を超えることを目標としている。これを達成するには、前年の2024年に1500万人程度に届かないと、残り1年で目標を達成するのは非常に難しくなる。
 訪日アウトバウンドや国内旅行の目標数値が1年前倒しして達成できそうな状況の中で、海外アウトバウンドだけが目標の達成に、日に日に難しさが増している。
 そうした中で、JTBが今年のゴールデンウィークの旅行動向をまとめた。それによると、今年のGW期間の海外旅行者数は前年比67.7%増、19年比56.0%の52万人とコロナ前の5割強の水準と推計した。ゴールデンウィークがこの数字では、この先もさらに厳しくなると思うが、JTBは「2019年のGWは天皇即位に伴い4月27日~5月6日まで10連休のため、例年に比べ海外旅行者数が多かった。2014年から2018年の5年間の海外旅行者数は約55万人前後で推移しており、その平均と比較すると9割ほど回復している」と明るい見通しを示した。