【潮流】海外旅行のTaaS化
全日空(ANA)はかつては、国内旅行ならスカイホリデー、海外旅行ならハローツアーというツアーブランドを持ち、国内旅行は全日空商事、海外旅行は全日空ワールドというインハウスエージェントがパッケージツアーを企画・造成していた。
その後の航空券の直販化、インターネットの隆盛、個人旅行の拡大、OTAの台頭などにより、同社は航空券、旅行商品の販売をANAセールスに一本化した。
コロナ禍で旅行が激減するとともに、国内旅行の回復期にツアーから個人旅行へのシフトが加速したことを受けて、ANAはANAセールスをANA XとANAあきんどに分社化し、ANA Xはマイレージやデジタル化、旅行商品の販売、ANAあきんどを種に地方創生会社に担当分けした。
ANA Xは引き続き、「ANAトラベラーズ」として国内旅行、海外旅行ツアーの企画・造成を手掛けているが、航空券がダイナミックプライスに移行し、パッケージツアーの回復も低迷していることから、取り扱いは縮小化傾向にある。これは、同社だけではなく、パッケージツアー全体の傾向だが、とくに航空会社系はそれが顕著になっている。