【潮流】国際観光旅客税の使途を硬直化させない
日本政府観光局(JNTO)が発表した6月の出国日本人数は前年同月比32%増の93万200人となり、前年と比べると3割以上も上回っているが、コロナ前の2019年比では39%減と6割台の回復にとどまり、海外アウトバウンドに浮上の兆しが見えていない。2024年も8月が目前に入り、1-6月の上半期出国日本人数は19年比39%減の580万人とコロナ前の6割水準だった。
1-6月の出国日本人数の推移を19年比で見ると、1月は58%だったが、2月と3月は64%台まで回復、4月は53%に落ち、5月は65%まで回復し、6月に61%台にとどまった。ゴールデンウィークや春休みは若干回復が上向いたが、6月以降は再び低迷し、今に続いている。
旅行会社や調査研究機関の調査を見ても、海外旅行の意欲はあるものの、円安や物価高を反映して今は手控え、旅行をするなら国内にシフトしている状況という。但し、国内旅行もGo Toトラベルや全国旅行支援の優遇措置もなくなり、日本人の国内宿泊旅行者数は4月以降、前年を下回っている。