【潮流】日中韓観光大臣会合の課題
2019年以来5年ぶりとなる日本・中国・韓国3カ国の観光大臣による「日中韓観光大臣会合」が神戸で開催された。日本・中国・韓国の3カ国間の観光交流は、紆余曲折はあったものの時代とともに拡大してきた。とくに、2000年にスタートした「日中韓観光大臣会合」を契機に、観光産業は3カ国の相互理解と経済的な結びつきを深める重要な役割を担った。2019年には約3000万人規模の観光交流人口を達成した。3国間の観光交流は観光産業を基幹産業に成長させ、観光立国を達成するための大きな柱となるべきものだ。
ただ、日中関係、日韓関係の政治的課題により、両国間の対立が激化し、観光交流が停滞したこともまた事実で、それは全面的に解消していない。日本の訪日外国人旅行者数と日本人海外旅行者数が過去最高を記録した2019年も、日中・日韓の関係は停滞していた。
尹政権が2022年に発足したことで、日韓関係は劇的に好転し、コロナ禍を経て、2023年は若者を中心に日韓観光交流は回復し、2024年もその状況は続いている。今年、訪日外国人旅行者数が3500万人と過去最高を達成したとして、その最大の要因の一つは韓国からの訪日旅行者数増加の賜物だろう。