【潮流】ツーリズムEXPOジャパンの意義
「ツーリズムEXPOジャパン2024」はコロナ禍による停滞を経て、2年ぶりに東京で開催され、国内外から多数の参加者が集まり、観光業の復興と未来への期待が示された。とくに、「新しい旅のカタチ」として高付加価値旅行に焦点が当てられ、観光業の新たな時代が示された。
国内旅行はもとより、訪日旅行、海外旅行ともに個人旅行が一般的となった中で、旅行会社が企画・造成するツアーは高品質、高付加価値のものが求められることが鮮明になった。サスティナブル・ツーリズムへの取り組みと相まって、旅行業界全体にテーマの「旅への新たな価値」が求められている。
開会式では、北陸の能登半島での豪雨災害に言及し、被災地復興への支援を強調。観光業界全体が一丸となって被災地支援に取り組む姿勢を示した。これは、来年の「ツーリズムEXPOジャパン愛知・中部北陸」に受け継がれる。
愛知県は今年8回目を迎えたジャパン・ツーリズム・アワードで、「休み方改革」への取り組みがグランプリの国土交通大臣賞を受賞し、旅行・観光産業全体への愛知県の貢献が高く評価された。本来なら国が取り組むべき課題だが、愛知県の取り組みが他の自治体へも波及しており、これこそが地域誘客、旅行の分散化を促進し、オーバーツーリズムを解消する有効な手段となり、国全体で「休み方改革」に本格的に取り組むことを期待する。