【潮流】持続可能な観光先進国
先週末にドイツ映画「ぼくとパパ、約束の週末」を観る。原題は「Wochenendrebellen」(週末の反逆者)。ドイツで100万人動員の大ヒットを記録した映画。自分の「推し」のサッカーチームを決めるため、ドイツリーグ56チームのスタジアムを巡る主人公の少年と父親の旅を実話に基づいて描いた作品。少年は自閉症スペクトラム症(ASD)で、その症状ゆえに起こる家族や学校、社会との様々な出来事を描いている。
サッカー好きには堪らない映画だが、ここで取り上げたいのはテーマとして流れる「持続可能性」。主人公の少年は自閉症の特性として多くのこだわりを持ち、その一つが徹底した持続可能性だ。例えば、ドイツ国内の週末の旅は鉄道で巡り、車は電気自動車。スタジアムの評価に障がい者への配慮、リサイクルなどがポイントになる。
それだけでなく、少年が家族、学校、社会で、「持続可能性」を主張し、それは自閉症の特性である「こだわり」から「価値観」として描かれ、映画を観る側にも共有される。
この映画を見て、「持続可能性」がドイツ、ヨーロッパ社会で根付いていることを実感した。自閉症スペクトラム症の少年に対する家族、学校、社会、さらにはサッカーとの関係を通して、「持続可能性」の重要性を観客に訴える。