【潮流】加速するNDC活用の課題
航空業界では国際航空運送協会(IATA)が推進する新流通規格「NDC(New Distribution Capability)」の導入が加速している。この新技術を活用し、航空会社が運賃制度やサービスの提供方法を刷新する動きは、収益性の向上や顧客体験の最適化をめざした戦略的な転換といえる。エア・カナダ、シンガポール航空、エアージャパンなどの具体的な事例が動き出している。
NDCは航空券の柔軟な価格設定と多様な付帯サービスを可能にする規格で、航空会社ごとに異なるアプローチで導入が進められている。
エア・カナダはNDCを活用した「コンティニュアス・プライシング(無段階運賃)」を導入し、顧客のニーズに応じたきめ細やかな価格設定を実現するとし、教育旅行や米国渡航需要の開拓にも注力し、旅行会社との協業で市場を広げる戦略を発表した。
シンガポール航空はNDCを活用した「KrisConnect」を展開し、安価な運賃や細かい座席指定などのサービスを提供する。JTBとの協業により、「ルックJTBMySTYLE」と連携したパッケージツアーを販売し、価格変動型商品で消費者の多様なニーズに応える。