【潮流】観光先進国のトルコ

　国連世界観光機関（UNツーリズム）の発表によれば、2024年の世界の国際観光客数はついにコロナ前の2019年水準に回復した。しかし、日本からの海外旅行者数は依然として回復途上にあり、コロナ前の65％にとどまっている。この中で注目すべきは、日本からトルコへの旅行者数が2019年比で30％増という急激な成長を遂げている点である。
　トルコ観光広報・開発庁のデータによると、2024年のトルコへの海外訪問者数は前年比9.8％増の6229万人で、過去最高を記録した。観光収益も611億ドルと過去最高益を達成した。日本からの訪問者数は前年比70.9％増の13万4697人で、2019年比で30.3％の増加を示した。日本の海外旅行全体がコロナ前の水準に達していない中で、トルコが突出して伸びている背景には、いくつかの要因がある。
　まず、トルコの多様な観光資源が再評価されていることが挙げられる。イスタンブールの歴史遺産、カッパドキアの幻想的な風景、エーゲ海沿岸のリゾート地といった魅力的な観光地が、パンデミック後の新たな旅行ニーズに応えている。