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2025.02.17

【潮流】訪日を享受する航空業界

 航空業界はコロナ禍からの回復を着実に進めている。ANAとJALの決算からは、国際線の旅客需要が大きく回復していることがわかる。とくに、ANAは欧州路線の新規開設や北米路線の好調が収益に大きく寄与している。羽田-ミラノ線や羽田-ストックホルム線の利用率が70%を超えるなど、新規路線の成功が目立つ。また、JALもインバウンド需要の拡大と日本発ビジネス需要の回復により、国際線の収益を伸ばしている。
 訪日需要の拡大は、とくに中国からの旅客数が春節期間中に前年比5割以上増加したという。しかし、中国路線全体ではまだ顕著な回復には至っていない。中国が日本人の短期滞在ビザ免除措置を発表したものの、ANAの中堀CFOは「顕著な需要の回復にはなっていない」とコメントしており、引き続き動向を注視する必要がある。
 国内線も堅調に推移している。ANAは利用率が過去最高を更新し、JALも需要喚起策により国内旅客数を伸ばしている。とくに、JALは夏場の猛暑による需要の後ろ倒しが10月以降の需要拡大につながったと分析している。国内線の旅客数は、ANAが前年比7.2%増、JALが0.9%増と、いずれも前年を上回る結果となった。