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2019.02.25

ウイングトラベル

UAL、羽田線含め路線ネットワークを拡大

セフォリア上級副社長、サービス改革進める

 ユナイテッド航空(UAL)のジェイク・セフォリア営業担当上級副社長が来日し、同社の営業戦略、羽田路線の展開、サービス・プロダクト、意識改革プロジェクト「core 4」などについて語った。グローバルセールスを統括するセフォリア氏は「UALは路線ネットワークを毎年4〜6%拡大し、羽田路線の開設計画もその一環」と強調し、ネットワーク拡大と機内サービス・ラウンジの充実、さらに「core 4」による従業員の意識改革を進めていく方針をあらためて示した。
 セフォリア氏は、「日本市場は非常にエキサイティングで、2018年にはインバウンドは3000万人を超え、アウトバウンドも2018年は6%増と成長している」と日本市場の重要性を指摘した。
 その上で、「当社は路線ネットワークを毎年4〜6%拡大する計画を立てており、昨年は5.5%の拡大を達成、今年、来年以降も4〜6%拡大する」と述べた。
 そのために、「顧客により良いサービスを提供する。より多くの地域に飛び、利便性を高め、新たな機材を導入する。最終的には、顧客の移動時間を短縮し、旅行者の負担を軽減させる」との方向性を示した。
 同氏は「羽田新路線の申請も路線ネットワーク拡大の延長線上にあり、急成長している日本市場に対して、アウトバウンド、インバウンドともにより良いサービスを提供したい」と述べた。

 

 日本市場急成長、羽田6路線開設を申請
 ANAとJV強化、羽田・成田ゲートウェイに
 新プレミアムプラス、3月30日から導入へ
 ポラリス・ビジネスとともに20年内完了

 UALはビジネスクラスとエコノミークラスの中間に位置する新たなクラス「ユナイテッド・プレミアムプラス」を開発した。同氏は「多くの航空会社はプレミアムエコノミークラスを導入しているが、ユナイテッド・プレミアムプラスをそれらとは全く違い、さらにグレードが高いもの」と述べた。
 ユナイテッド・プレミアムプラスは、シート、機内サービス、予約・アップグレード、空港での優先サービスなどが充実する。とくに、キャビンが完全に分かれており、エコノミークラスの延長ではなく、独自の「ユナイテッド・プレミアムプラス」だけの空間を創出している。
 「ユナイテッド・プレミアムプラス」は日本路線では、3月30日から成田−ニューアーク、成田−サンフランシスコを皮切りに導入される。プレミアムプラスもポラリス・ビジネスクラスと同様に、2020年末にすべての機材に搭載される計画。

 

 意識改革プロジェクト「core 4」スタート
 「思いやり」優先、現場が対応を最終判断

 ユナイテッド航空は従業員の意識改革プロジェクトとして「core 4」を立ち上げた。全社員約9万名が訓練を受ける。セフォリア氏は「core 4は、顧客の立場で物事を考えられるかという取り組み。基本的には、最前線で顧客と接する社員におもてなし、思いやりを常に考えてもらう環境づくりとツールを提供する」と基本方針を述べた。
 「core 4」の4つのコンセプトは、第1が「安全性(safety)」、第2が「思いやり(caring)」、第3が「信頼性(dependability)」、第4が「効率性(efficiency)」。優先順位も順番通りで、第2位に位置づけた「思いやり」が重要となる。搭乗に遅れた顧客を待つべきか、定時運航を重要視するべきか、これを現場のスタッフ自身が判断する。
 「思いやり」と「信頼性」を両立させることは難しいところだが、UALでは敢えて「思いやり」の優先順位を上げた。セフォリア氏は「顧客が良い体験をするで、評価が広がる。英雄的なストーリーが増えれば、それがプラスになり、たくさんの体験話が積み重なることで、当社の優位性が高まる。一方で、信頼性・定時性を重要視する多くの顧客にも配慮しなくてはならない」と述べた。
 その上で、「概念、フレームワーク、ツールを用意し、現場が判断する形を構築する」と述べ、最終的に現場が判断することを強調した。

 

※写真=インタビューに答えるユナイテッド航空のジェイク・セフォリア営業担当上級副社長