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帝人、耐熱・耐衝撃備えたBMIプリプレグ開発
エンジンなど航空宇宙用途に
帝人は、高い耐熱性および耐衝撃性を備えたビスマレイミド(BMI)系プリプレグを開発することに成功した。航空機エンジン関連部材をはじめ、航空・宇宙用途向けに開発したとのことで、同社によると日本国内で初めて成功したという。
一般的に炭素繊維複合材(CFRP)は軽量で高強度のエポキシ系樹脂を使用する。なかでも、航空・宇宙用途のエンジン周りの部品など超高温下で使用する用途には、熱による劣化や変形を防ぐため、耐熱性に優れ、かつ線膨張係数の小さいBMI系などの樹脂を使用したプリプレグが用いられている。しかしBMI系樹脂は、耐熱性を向上させることにより耐衝撃性が低下してしまう。衝撃を受けた際に発生する炭素繊維層と樹脂層の剥離やクラック(亀裂)などCFRPの損傷が問題となっていた。また、BMI系樹脂は流動性が高いため、成形が困難な場合があったという。こうしたなか、BMI系樹脂を用いながら、耐熱性と耐衝撃性が高次元でバランスし、取り扱いが容易なプリプレグの開発が求められていた。
※写真=耐熱・耐衝撃を備えたビスマレイミド系プリプレグを開発(提供:帝人)