WING
川崎重工、機体・エンジン一体化で25年度に売上7000億円
風通し良く高評価、機体・エンジン共同で新たな製品の「芽」
川崎重工航空宇宙システムカンパニーの並木祐之プレジデントが本紙のインタビューのなかで、昨年4月の組織改正によって誕生した航空宇宙システムカンパニーについて、「航空宇宙事業とエンジン事業が一つのカンパニーとなった航空宇宙システムカンパニーの売上高はおよそ4800億円。2020年度には5000億円の大台を超えていきたい」との目標を掲げた。さらに、その先には「2025年度には7000億円以上を売り上げたい」とし、その時点における「営業利益が9-10%にしていきたい」と、売上・利益率ともに野心的な目標を打ち立てていることを明かした。
並木プレジデントは航空宇宙システムカンパニーの誕生による機体・エンジンのシナジー効果について、「社内では、航空機とエンジンの風通しが一層良くなった」とするなど、新組織に確かな手応えを得たことを明かした。
「(機体とエンジンは)製品開発ではこれまでも共同で取り組みを進めていた」と振り返りつつ、「例えばBK‐117では機体を航空宇宙カンパニーが担当して、トランスミッションをガスタービン・機械カンパニーが担当していた」ことに言及。さらには小型標的機も同様で、機体を岐阜で、エンジンは自社開発のKJ14という具合に、両カンパニーが共同で開発にあたっていたとしている。
その上で、「(航空宇宙システムカンパニーが誕生したことで)壁は完全に取り払われた。いきなり技術者同士が話し合うことができる環境になった」とし、「長期的には互いが保有する優れた技術を持ち寄って、互いに高め合いながら新たな製品に結び付ける。一つの新しい製品を生み出していきたい」と話した。「将来にどのような芽が生えてくるのか。機体構造なのか、ヘリコプタなのか、小型標的機のようなものを発展させていくのか。従来の延長線上で新たな製品を生み出すことも考えられるし、全く新しいものを考えることもできるのではないか」と話し、機体・エンジン技術者たちのシナジー効果によって、航空宇宙システムカンパニーが既存製品のアップデートや、時に全く新しい製品を世界に送り出していくことに期待を寄せた。
活発な人材交流でシナジー最大化
中期的に生産拠点・サプライチェーン相互活用も
高い数値目標を如何にクリアするか?
並木プレジデントの狙いは
P-1とC-2製造無い年度も
「派生機などで山谷埋まることが理想」
将来戦闘機、「積極的に参加を」
国産主導戦闘機で川崎重工エンジニアの実力発揮を
レーザー兵器、「ファイバーレーザー軸に研究開発」
まずは小型無人機・迫撃砲対処用に
旺盛な民需も777端境期で収益は「U字の谷」
2021年度まで我慢の年続くか
ボーイングNMA、胴体部などで「積極参加がスタンス」
生産拠点は名古屋理想も米国生産の可能性も
737後継、機体・電機・装備品メーカー一体提案も
航空機電動化や空飛ぶクルマなど新たなチャンスも
T-IDGなど電気化に強み持つ川崎重工にチャンス大?
新ビジネスが台頭する宇宙
川崎重工は如何に宇宙事業を育てるか?