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消防士の空飛ぶチームメイト、耐火型ドローン開発
300℃の熱に耐えて火災現場など状況把握
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とエンルートは、およそ300度℃の熱に耐えることができる耐火型ドローンを開発することに成功した。人間用の防火服の耐火基準が260℃であることを参考値とし、300℃の高温環境で1分間の連続運用が可能な耐火性を目標値として開発したとのこと。機体開発に従事したエンルートは、4月から消防機関などにサンプルを提供して、モニタリング・性能評価のフィードバックを進め、今年10月から受注をスタートする計画だ。
機体の内部に配置した撮影用のカメラについては、熱の影響を低減するために、カメラ前面を従来のカーボン素材ではなく断熱性と透過性に優れた石英素材で覆いました。石英素材による重量増加に対しては、機体のプロペラのアーム部品を従来のカーボン素材からマグネシウム(表面はチタン加工)などに変更することで軽量化を図った。
例えば火災現場に進入し、火元の上空5メートル~10メートルの近距離空撮を可能にするとのことで、はしご車が入ることができない狭い道路などの現場やビル、工場内の要救助者の救出ルート確認や、隣接建物などへの延焼状況の把握、消火活動後の再燃防止、さらには山岳地帯や水辺でも利活用できる「消防士の空飛ぶチームメイト」の実現を目指すとしている。
※写真=エンルートが開発した耐火型ドローン(提供:NEDO)
※写真=実証実験の様子(提供:NEDO)