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IHI、民航機エンジン整備での不適切事象を謝罪
瑞穂工場で無資格検査員による外観検査等が211件発覚
IHIは3月8日、民間航空機エンジン整備事業での不適切事象が判明したことを受けて記者会見を開き、満岡次郎社長をはじめ、航空・宇宙・防衛事業領域長の識名朝春取締役 常務執行役員らが謝罪するとともに、中間報告を行った。
満岡社長は会見冒頭、「今回判明した不適切な事象は、当社が長年に渡って培ってきた品質担保の姿勢を揺るがしかねない極めて重大なものと厳粛に受け止めている」として、対象となる航空会社ならびに関係機関をはじめ、全ステークホルダーに対し謝罪した。
その後、識名取締役が事象の詳細について説明を行い、今回の調査では過去2年分の国交省認定のエンジンを対象とし、合計約4万件の検査記録を調査したと説明。調査ではこれら不適切な事象がエンジンの基本的な機能・性能に影響を及ぼす物ではないことを確認したほか、国交省や米国連邦航空局(FAA)をはじめ、各国航空局への報告を行ったとした。またエンジン製造メーカーであるGE社およびIAE社にも報告を行い、双方から飛行安全に問題ない旨を確認したと話した。
無資格者が検査と有資格者の押印行う
メーカー無許可の整備改善行い、作業日を修正
整備事業の拡大に整備員育成追いつかず
訓練生の作業範囲が不明瞭で、任せていった
内部告発を活かすこと出来ず、発覚遅れる
ヒアリングの場に品質管保証部門は同席せず
※写真=エンジン整備事業を事業の柱の一つとするIHIにとって、今回の不適切事象が痛手となる
※写真=会見冒頭で満岡社長をはじめ識名取締役らが謝罪
※写真=満岡次郎社長(左)と航空・宇宙・防衛事業領域長の識名朝春取締役(右)
※写真=不適切事象の説明スライド