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ANA、A380は総座席数は520席仕様に
ドア付き個室ファーストやカウチシートが目玉
全日空(ANA)は4月26日、A380の機内仕様を発表した。それによると、総座席数は520席に設定し、二階部分にはファーストクラスを8席、ビジネスクラスを56席、そしてプレミアムエコノミークラスを73席設定。1階部分にはエコノミークラスを383席を設定し、そのうち後方には日本の航空会社として初めてカウチシートを導入する。カウチシートは隣接する席のレッグレストを上げて、3席もしくは4席分をベッドのように利用することが可能とする。家族旅行需要が高いハワイ線にカウチシートを導入することで、子供連れの旅客も横になって眠ることができるようにする。
ANAがハワイ線の輸送力と競争力強化に向けて導入するA380は、2019年春から運航を開始する。ANAは2016年にA380を3機発注後、昨年にはハワイの神聖な生き物として崇められているウミガメをモチーフとし、機体の特別塗装を”FLYING HONU”(空飛ぶウミガメ)に決定。このA380を武器に、他社との競争が激しくなっているハワイ線の更なる需要取り込みを狙う戦略だ。
なお、ANAは3機導入するA380について、”FLYING HONU”をベースとして、個々に塗装を変えることを決定。3機はそれぞれ「空」、「海」、「夕陽」をイメージした色と表情とするデザインとすることにした。
日系キャリア初のドア付個室ファーストクラス
ANAが今回発表した機内仕様によれば、ホノルル線には初めてファーストクラスを導入する。8席あるファーストクラスはドア付きの個室型シートで、海外のキャリアでは既に採用実績があるものの、日本の航空会社としては初めてドア付き個室タイプのファーストクラスを導入することにした。
ファーストクラスは二階部分の最前方に設定し、専用のバーカウンターを設置する。ドアを付けて個室タイプとする各席には、パーソナルモニターは32インチのタッチパネル式大型液晶ワイドスクリーンを採用。左右の読書灯に加えて、食事灯を採用する。さらにジャケットを収納することが可能なクローゼットや複数の小物入れなどの収納スペースを充実させたほか、大型テーブルやPC電源、USBポートを装備する。
ビジネスクラス、一部座席をペアシートに
スタッガード配列を家族やカップルで楽しめるペア席に
ファーストクラスの後方にはビジネスクラスを56席設定。ファーストクラスとビジネスクラスの間には、バーカウンターを設置する。ビジネスクラス各席は、全席が通路にダイレクト・アクセスすることができる、フルフラットシートを採用した。ちなみに各席に設置するパーソナルモニターは18インチタッチパネル式大型液晶ワイドスクリーンで、ほかに大型テーブル、大型サイドテーブル、PC電源と2個のUSBポートを装備する。
ANAによると、これまでのスタッガード配列を変更するとのことで、リゾート線ならではの家族やカップルの旅客が隣り同士で座ることができるペアシートを、中央席および通路を挟んだ一部席に導入することにした。
ビジネスクラスの後方にはプレミアムエコノミー席を73席設けており、さらにその後方に、同クラス用のバーカウンターを設置する。
プレミアムエコノミー席のシートピッチは38インチで、各席にはクラス最大級となる15.6インチのタッチパネル式パーソナルモニター(最前列は11.6インチ)を装備する。さらに、約90度に回転する大型テーブルを採用することで、通路へのアクセスを容易にするほか、レッグレスト・フットレストを完備。ヘッドレストは6方向に調整することが可能とする。加えて携帯電話など、小物の収納スペースを充実するほか、PC電源、USBポートを装備する。
エコノミークラス、本邦初のカウチシートに
3席から4席分をベッドに、多目的ルームも
今回最も注目されそうなのが、1階部分に設定されるエコノミークラスだろう。エコノミークラスは全383席設定されるが、後方60席がカウチシート「ANA COUCHii」として導入する。カウチシートを導入するのは、日本の航空会社として初めてのチャレンジだ。
このカウチシートは、隣接席のレッグレストを上げることによって、3席から4席分をベッドのようにすることができるというもの。エコノミークラス運賃に追加料金を支払うことで利用することができ、専用の寝具も用意する。
エコノミークラス席は新薄型軽量シートを採用。2種類の新ファブリックを採用し、明るい雰囲気を演出する。シートピッチは34インチで、「ANA COUCHii」は32インチピッチとした。各席には13.3インチのクラス最大級タッチパネル式パーソナルモニター(最前列は11.6インチ)を装備するほか、ヘッドレストは6方向に調整することが可能。その他にPC電源ろUSBポートを装備する。
また、1階部分にも二カ所のバーカウンターを設けることにより、エコノミークラス客も自由にドリンクやスナックなどの軽食を取りに行くことができるようにするほか、最後方には多目的ルームを設定。ANAによれば、着替えやパウダールーム、授乳など、様々な用途で誰でも利用することができるようにする。この多目的ルームにはシンクのほか、ベンチシート、着替台、おむつ交換台などを設置する。
壁紙やライティングでハワイらしさ演出
各クラスにバーカウンターを設置するほか、ANA Wi-Fi Serviceを利用することができるようにするなど、旅客の快適な空の旅をサポートする機内設備を複数装備する。さらにこの「FLYING HONU」は、リゾート線であるハワイ線らしい楽しさを演出すべく、「朝日」、「星空」、「虹」など、ハワイらしい景観をイメージした壁紙やライティングを用意することで、ハワイの雰囲気や旅のワクワク感を演出することにした。その他、「FLYING HONU」限定コンテンツも配信する。
チャットボットAIでハワイ最新情報入手
また、チャットボット型のAIを活用し、利用者が会話を楽しみながらハワイの情報を入手できるポータルサイト「#hawaii24」をオープンした。このサイトでは、ハワイ好きを自負する1000人にアンケートで人気の高かったハワイの食やアクテビティー、観光地などの情報を掲載している。
タマゴのAIがチャット形式で最適なハワイのオススメスポットや現地で役立つ店の情報などを提案する。
5月1日にはたまごのAIから、ハワイ語で「空」を意味する「ラニ」が誕生する予定で、今後は「#hawaii24」以外の様々な場面で、「ラニ」に加えて、ハワイ語で海を意味する「カイ」、太陽を意味する「カラ」が登場する予定にあるという。
※画像=3機ある「FLYING HONU」のデザイン決定(提供:ANA)
※画像=シートマップ(提供:ANA)
※画像=ファーストクラス(提供:ANA)
※画像=ビジネスクラス(提供:ANA)
※画像=プレミアムエコノミークラス(提供:ANA)
※画像=エコノミークラス(提供:ANA)
※画像=カウチシート「ANA COUCHii」(提供:ANA)
※画像=多目的ルーム(提供:ANA)
※画像=機内の壁紙はハワイの空をイメージ(提供:ANA)