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超低高度衛星「つばめ」が4月2日より軌道保持フェーズ移行
段階的に高度180キロまで下げ、センサの解像度拡大効果確認へ
JAXA(宇宙航空研究開発機構)はこのほど、超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)を現状の高度271キロメートルの完全回帰軌道から、最終目標高度180キロメートルに向け段階的に高度を下げるためイオンエンジンによる軌道保持を行う「軌道保持フェーズ」への移行を4月2日から開始することを発表した。2017年12月23日にH-IIBロケット37号機で打ち上げられた「つばめ」は、超低高度(高度300キロメートル)での新たな衛星利用の可能性を拓くことを目的とした衛星で、2種類の光学センサと原子状酸素センサを搭載、高度を下げることで搭載画像センサの解像度が高くなる効果などを実証しつつある。
「つばめ」のメイン光学センサは口径20センチで、超低高度での分解能は1メートル以内を目指している。これは地球観測衛星「だいち」(ALOS)の高度692キロメートルで口径30センチの光学センサの分解能が2.5メートルであったのと比べ、口径が小さい小型光学センサでより高精細な画像が得られることを示している。
※画像=超低高度衛星技術試験機「つばめ」の外観と搭載機器(提供:JAXA)
※図=「つばめ」の軌道運用プロフィール図(提供:JAXA)
※画像=新国立競技場の1月2日の光学画像(提供:JAXA)
※画像=迎賓館の1月2日撮像の光学画像(提供:JAXA)
※画像=UAEドバイのカラー光学画像。左が12月10日の撮影、右が2月10日の撮影(提供:JAXA)