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宮崎ジャムコ、検査業務実習生が一部検査
ジャムコ立川工場は補用品販売で手順逸脱
ジャムコは3月26日、航空機シートの製造を担う子会社の宮崎ジャムコで不適切な検査業務が実施されていたことで、東京航空局からジャムコ本体(立川工場)および宮崎ジャムコが立ち入り検査を受けていたことを明かした。ジャムコは宮崎ジャムコにおける不適切な検査業務の発覚後速やかに、社内に品質業務改善チームを立ち上げており、原因調査、再発防止活動などを進めているとのこと。さらに3月15日付で第三者による特別調査委員会を設置して、対応にあたっている。
調査の結果、宮崎ジャムコでは委託先からの受入検査のほか、その後の組立に際して行われる工程検査、そして完成検査の一部検査業務において、検査業務の有資格指導者が不在にも係わらず、無資格の検査実習生が有資格者の検査印を借用して検査を実施していたことが明らかになった。
一方、ジャムコの立川工場では、一部の補用部品販売において業務規程に定められた手順を逸脱した業務が認められており、立川工場で認定事業場としての受入れ検査が行われずに、そのまま完成検査が行われ、装備品基準適合証を発行して納品していたという。
ジャムコは現時点までの調査を受けて、疑義品について健全性の確認を行っているところとしており、新たな事実が認められた際には、航空局とも調整しながら再検証、是正措置、再発防止などを講じていくとしている。
今後の対応についてジャムコは航空局による立入検査、特別調査委員会が行う客観的視点による調査に協力し、さらなる原因分析と有効性の高い再発防止策の策定・実行による業務改善に取り組んでいくとしている。また、宮崎ジャムコではすべての生産を停止しているとのことで、可及的速やかに生産を再開し、顧客への影響を最小限に留めるべく、再発防止策を確実に実行するなどとしている。
なお、現時点では、大規模なリコールや賠償請求に発展するような事案は認められておらず、業績に与える影響は軽微との認識を示しており、業績予想は変更していない。
宮崎ジャムコは4413件の不適切業務
その後の再検査で全ての健全性を確認
立川工場、認定事業場範囲外で受入検査
195件の手続き不備、その後の検査で部品に問題なし
※写真=無資格の検査実習生が有資格者の印鑑を借用するなどの行為が明らかになった宮崎ジャムコ