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砕氷艦「しらせ」、南極地域から帰還
第60次南極地域観測協力を無事完遂
海上幕僚監部は4月9日、東京・晴海ふ頭で砕氷艦「しらせ」の帰国行事を執り行った。既報の通り、第60次南極地域観測協力のため2018年11月10日に晴海ふ頭を出港していた。約半年振りの帰還に、自衛隊員はじめ、隊員家族等の関係者多数が「しらせ」の無事の帰還を祝うと共に「しらせ」乗組員らとの再会を喜んでいた。
「しらせ」は、往路では18年11月10日に晴海ふ頭を出港、オーストラリア・フリーマントルに寄港し、南極観測隊員77名を乗せて南極・昭和基地まで運んだ。12月中旬に氷海に侵入し、12月下旬に6年連続の昭和基地沖への接岸を果たし、観測隊員と物資約1000トンを無事に送り届けることに成功した。離岸までの約2ヵ月間で昭和基地への物資輸送や海洋観測等支援を実施した。復路では南極からの廃棄物等持ち帰り物資約400トンと第59次越冬隊と第60次夏隊の観測隊員を乗せてシドニーまで運んだ後、日本に帰還した。航海日数は151日で、その内南極圏での航洋日数は99日に及んだとのこと。「しらせ」はこの後入渠整備を行い、また今年11月には次の南極地域観測協力に従事することとなる。なお今航海で乗員の約半数が交代となるとのことだ。
6年連続昭和基地沖への接岸達成
一件の事故もなく、無事任務完遂
「しらせ」飛行隊長に聞く
南極地域での飛行とは
〔第60次南極地域観測協力での「しらせ」行程〕
▼期間:11月10日~2019年4月9日
▼指揮官等:砕氷艦「しらせ」艦長 1等海佐 宮崎好司、乗員約180名
▼協力概要=
・人員輸送:往路77名(フリーマントル-昭和基地)、復路:79名(昭和基地-シドニー)
・物資輸送:往路約1000トン、復路約400トン(廃棄物等持ち帰り物資)
・支援作業:船上・野外観測支援、基地設営支援
※写真=レインボーブリッジを潜り約半年振りに帰国する「しらせ」
※写真=接舷後、再会を喜びあう家族ら。通信の発達で連絡を取りやすくなったとはいえ、直接会うのはまた違った嬉しさがある
※写真=山村浩海幕長は、大任を果たし総員が無事帰国したことを喜ぶとともに、一層精進することを期待すると語った
※写真=インタビューに答えていただいた「しらせ」飛行長の笹本卓嗣3等海佐
※写真=ヘリ格納庫にはCH-101を2機格納。テールを折り畳みスペースを有効活用している
※写真=南極では物資や人員の輸送に従事したCH-101