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東京航空局、IHIに業務改善命令
航空局、認定事業場の監視・監督を強化
東京航空局は4月9日、不適切な民間航空機エンジン修理を行っていたIHIに対して、業務改善命令を行うと共に、再発防止策を報告することを求めた。東京航空局は、IHIに対して出荷品の自主回収や不適切事案の要因・背景の分析を実施することも求めた。なお、航空局では、IHIやジャムコといった認定事業場における不適切な事案がみられたことから、今後は臨時検査を抜き打ちで行うことを決めたほか、認定事業場が実施した検査記録の裏付けを確認するなど、検査内容を見直しするなど、認定事業場の監視・監督を強化することにした。
IHIの民間航空機エンジン修理事業で発覚したこの問題は、東京航空局が瑞穂工場に対して、今年1月から2月にかけて立入検査を実施して、その後報告徴収を実施したところ、エンジン修理作業及び検査において、複数の不適切な作業が行われていたことが明らかになったというもの。
具体的には、部品の検査を業務規程に基づく適切な社内資格を有する検査員ではなく、資格を有していないスタッフが実施していたことのほか、所定の作業工程通りに作業及び検査を実施しなかったにもかかわらず、実施したように作業記録書の検査実施日を改鼠していたこと、さらには計測機器の定期検査記録書の検査実施日が適切でないことなど。
処分の対象となったのは、瑞穂工場において整備した民間航空機エンジン34台と修理した単品の部品数125点における不適切な作業。3月8日付の中間報告では過去2年間(2017年1月1日〜2019年1月31日)を対象に調査した結果を報告したものだったが、更に遡って現在運航されている全てのエンジン(2009年1月〜2016年12月31日)まで拡大して調査した。
IHIによれば、同社が整備・修理した国土交通省管轄で運航中の全エンジン45台と単品で修理した部品605点が調査の対象となったとしており、このうちエンジン34台、部品125点において不適切な作業が行われていたいう。その作業総数は合計で約19万件で、このうち不適切な作業件数は1251件だったことを明らかにした。
不適切作業件数1251件のうち、不適切な検査押印の件数は974件、手続きを経ない工程順序の変更や検査実施日と記録の不一致が277件あり、その内容は中間報告で報告したものと同様だった。
随時検査は原則抜き打ちで
検査方法見直しや管理体制強化