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JAL決算、国際線で増収も法人税調整額なし
売上高1.4兆円、最終純利益18%減1354億円
日本航空(JAL)が発表した2017年度3月期決算は、グループ連結売上高が前期比7.3%(942億円)増の1兆3832億円、営業利益は2.5%(42億円)増の1745億円だが、経常利益は1.1%減(18億円)の1631億円、最終純利益は17.5%減の1354億円を計上した。売上高は単価の高い国際線のビジネスクラス利用増などにより増収だったが、前年度は一時的な法人税の調製額の計上があったったが、当年度はそれがなく、最終ベースでかなりの減益となった。
売上高のうち、国際旅客事業は11.5%(477億円)増えた4692億円、国内旅客は3.9%(196億円)増加した5182億円、国際・国内線をあわせた貨物事業は19.6%%増加した784億円となった。その他、141億円(4.6%)増えた3237億円となっている。
記者会見した斉藤典和取締役専務執行役員(財務・経理本部長)は、中間決算時点の予想を上回る営業利益を確保したことについて、国際線のビジネスクラスなどが好調だったほか、海外発の需要も好調に推移したとの見方を示しながら、「収入で170億円改善した」ことを明らかにした。
「国際線については、ビジネスクラスを中心とした高イールド旅客が想定よりも2%ほど多かった。海外発旅客も、中国や東南アジアを中心として利用者数が想定よりも5%ほど多かったことが成果。単価面も非常にL/Fが高い状態が続いたということで、単価の上昇を1%ほど図ることができた。方面でいえば、欧州、東南アジア、中国などが好調だった」と振り返った。
一方、国内線についても「だいたい10億円くらいの上振れ」と説明。さらに「貨物も40億円ほど上ぶれており、貨物輸送量の増加が主因」となったことを明らかにした。
ちなみに、JALの中間決算時における見通しでは、営業利益は1670億円との予想で、85億円ほど良い数字を叩き出すことに成功している。一方、コスト面で85億円ほど増加したと説明しており、このほとんどが燃油費の増加によるものとしている。
※写真=JALの18年度はシステム改修等で費用が膨らむも新システムを活かした戦略展開へ
※写真=記者会見する斉藤取締役