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SPRING、新中期計画で2021年度の黒字化目指す
機材稼働率など課題は山積みも
春秋航空日本の新ブランド「SPRING」は、新たな3カ年の中期経営計画(2019年度~2021年度)を策定した。このなかで同計画期間最終年度となる2021年度の黒字化を目指すほか、同社の強みでもある中国本土とのネットワークを拡大・強化することによって、本邦LCCのなかで旅客数および路線ネットワークなどといった観点において国際線No.1となることを目指す。
SPRINGの樫原利幸社長は国際線LCCNo.1を目指すことを掲げた理由について、「我が社の強みである中国路線は伸びる余地がある」とコメント。「本邦の他社航空会社では、なかなか中国路線をつくるということはハードルが高い」との認識を示し、「国際線では当社が旅客数を含め、一番を取ることができるポテンシャルを持っているという自負がある」と話した。
こうした強みを発揮して新中期計画の3カ年期間中に黒字化することを目指すSPRINGにとって、最大の壁は機材稼働率となりそうだ。
整備を委託することで戦略的パートナーとなった日本航空(JAL)との連携を強化した同社だが、現在、6機保有する機材のうち5機を稼働している状態。しかしながら、その機材稼働時間は1機当たり平均でわずか「6~7時間ほど」(樫原利幸社長)に留まっているという。LCCならずとも、この平均稼働時間はかなり”まずい”事態だが、LCCを標榜する同社にとって、このレベルの機材稼働時間は致命的ともいえる低さだ。
樫原社長も機材平均稼働率を問題視しており、これを「10時間ほどにはしたい」との認識を示している。その上で今冬ダイヤには「6機体制で運航することができる」とみており、保有する全機体制での運航を実現していく方針だ。
国際線の日本人旅客集客もカギか
※写真=2021年度の黒字化を目指すSPRING。描いた機材稼働率施策を機能することができるかなど課題は残る。写真は現在の塗装の機体