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18年度スクランブル、過去2番目の999回に
中国機の飛来活発、機種・飛行内容とも多様化
統合幕僚監部がこのほど発表した2018(平成30)年度の緊急発進(スクランブル)実施状況によると、2018年4月から2019年3月までに999回緊急発進を実施したことが分かった。これは、前年度よりも95回増加した数字で、過去最多の2016(平成28)年度に次ぐ過去2番目の回数。特に中国機の飛来が頻繁だったことに加え、緊急発進で初めて中国Y-9哨戒機やロシアSu-35戦闘機を確認するなど、日本周辺の安全保障環境が刻々と変化していることをもの語った。
緊急発進999回のうち、中国機に対する発進は約64%で、ロシア機が約34%、その他の航空機が約2%となって、日本周辺へ飛来した航空機としては、およそ6割強が中国機で、3割強がロシア機となるかたちだ。中国機への緊急発進は前年度比138回増の638回となって、2016年度の851回に次ぐ回数。依然日本周辺で活発な活動を続ける。一方のロシア機への緊急発進は47回減の343回だった。一見落ち着きを見せるも、これは過去4番目の回数で、前2017年度は過去2番目の390回と、こちらも活発に飛行を繰り返している状況。ちなみにロシア機に対する緊急発進で最多だったのが2014年度の473回だった。
中国の哨戒機型Y-9初確認、4月に推定無人機も
ロシアで進む近代化、Su-35多用途戦闘機確認
方面対別、南西空で596回、北空では277回に
※図1=中露機の飛行パターン(提供:統合幕僚監部)
※図2=年度別緊急発進回数(提供:統合幕僚監部)
※図3=方面隊別緊急発進回数(提供:統合幕僚監部)
※写真1=中国機として初めて確認した哨戒機型のY-9(提供:統合幕僚監部)
※写真2=ロシアのSu-35。航空機の近代化が進んでいる(提供:統合幕僚監部)