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JAXAがスカパーに小型実証衛星4型を軌道上譲渡
後期利用段階の衛星を初めて民間企業に譲渡
宇宙航空研究開発機構(JAXA)とスカパーJSATは4月24日、JAXAが所有・運用している小型実証衛星4型(SDS-4)をスカパーJSATに運用も含めて譲渡する契約を同日締結したことを明らかにした。これはJAXAが実施した企画競争の結果に基づくもの。
SDS-4は2012年5月に打上げられ、4種類の衛星要素技術の軌道上実証試験を実施し、当初のミッション目的を達成して後期利用段階として運用が続けられている。今回JAXAの開発した衛星が民間企業に譲渡される初めての事例となり、スカパーJSATとしては初めて低軌道衛星を保有することになった。50センチ立方、質量約48キログラムのSDS-4は高度677キロメートルの軌道上にある。
スカパーJSATは従来の静止軌道衛星によるサービスに加え、今後民間活用の拡大が期待されている低軌道衛星向け地上局サービスを昨年から積極展開しており、自社の北海道、茨城、沖縄の低軌道衛星向け地上局設備に加え、国内外の地上局サービス企業との業務提携を進めている。自社所有低軌道衛星の運用により、運用能力を高め他社衛星の運用受託など事業の拡大を図っていく考えと見られる。
※画像=小型実証衛星4型(SDS-4)の外観イメージ(提供:JAXA)