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2018.05.09

ウイングトラベル

旅行関連のEC市場規模、11.0%増3.3兆円に

経産省調査、国内外OTAの事業成長がけん引

経済産業省はこのほど電子商取引(EC)に関する市場調査結果を取りまとめた。それによると2017年のBtoCによるECの市場規模は前年比9.1%増の16兆5400億円となった。このうち、サービス系分野における事業規模は11.3%増の5兆9568億円となり、2ケタ成長となった。さらにサービス系分野のうち旅行サービスに関するBtoCによるECの市場規模は11.0%増の3兆3742億円となった。特に国内外におけるOTAの事業成長が市場をけん引する格好となったほか、大手の旅行会社もネット販売への攻勢を強めていることが今回の実績につながった。また、海外から日本の製品やサービスを購入した越境ECの市場規模は7.3%増の2570億円となった。このうち米国からの購入額は7.2%増の2327億円、中国からの購入額は7.3%増の243億円となった。経済産業省は越境ECの取扱額増加における1つのトピックとして訪日インバウンドの増加を挙げており、特に中国からの消費に関しては大きな影響を与えていると指摘した。

 

 BtoCのEC取引額、7年間で2.1倍に
 17年のサービス系分野市場規模は2ケタ成長

 日本のBtoCにおけるEC取引額は年々拡大傾向にある。2010年の市場規模は7兆7880億円だった市場規模は2017年には約2.1倍に相当する16兆5054億円まで成長。また、BtoC取引におけるEC構成比は2.84%から5.79%まで上昇する格好となっている。
 各分野の構成比率を見てみると、食品や書籍、化粧品など物販系分野の市場規模は前年比7.5%増の8兆6008億円となった。旅行や飲食、チケット販売などのサービス系分野は11.3%増の5兆9568億円、音楽・動画配信や電子書籍などのデジタル系分野は9.5%増の1兆9478億円となった。3分野のうち唯一サービス系分野が2ケタの伸びを示す格好となった。
 サービス系分野で最も取引額が大きいのは旅行サービスで3兆3742億円だった。前年比からの伸びで見ると11.0%増となっている。市場規模の大きさで見ると、旅行サービスに次ぐのは金融サービス、その他(医療、保険、住居関連)、チケット販売と続く。また、伸び率では飲食サービスが36.8%増、理美容サービスが28.4%増と大きく伸びている。

 

※表=サービス系分野のBtoCのEC市場規模

 

※表=日本・米国・中国3カ国間の越境EC市場規模