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IHI、航空機エンジン整備事業不正で自主回収
エンジン2台と部品58個対象、再発防止策を国に提出
IHIは5月10日、民間航空機エンジン整備事業で発生した不適切事象に対する国土交通省からの業務改善命令に対し、改善措置を同省に提出したことを発表した。このなかでIHIは出荷済みのエンジン2台およびエンジン部品58個について、自主回収することを表明。既に56個の部品については回収済みで、残り2個の部品と2台のエンジンについても5月末までに自主回収する。自主回収することを決定した理由についてIHIは、これまでの検証の結果、搭載エンジンの安全性に直ちに影響はないことを確認したとしながらも、長期的継続使用の観点から自主回収することを決めたと説明した。
既報の通り、IHIでは同社瑞穂工場における民間航空機エンジン整備事業で、無資格の検査員が押印するなど、複数の不適切な検査が行われていたほか、航空機エンジン部品製造においても、不適切な検査が行われていたことが明らかになっている。
なおIHIは国土交通省に提出した報告書を作成するにあたって、日本経営倫理学会会長の梅津光弘氏(慶應義塾大学商学部准教授)および西村あさひ法律事務所による原因分析と対策提言を依頼。第三者の視点も、改善措置・再発防止に盛り込んだ。
安全管理や業務実施体制を見直し
再発防止策は4本柱で
業務拡大も検査員増えず納期優先
経営層は「現場力」に過度の期待も