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日立国際、クアラルンプールで滑走路異物検知レーダー
実証実験スタート、実用化向け世界にアピール
日立国際電気がマレーシアのクアラルンプール空港において、滑走路面異物検知リニアセルレーダーの実証試験システムの運用を開始した。運用をスタートしたのは去る4月29日。現地のマレーシア空港セパン)、マレーシア工科大学と共同で開始した。日立国際電気によれば、今後は実証試験運用の成果を国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)や国際民間航空機関(ICAO)などの国際標準化機関に展開するとしている。
日立国際電気によれば、実証試験を開始したシステムは、RoF(Radio over Fiber)技術を活用した90GHz帯ミリ波レーダーを滑走路に配置したもの。滑走路全体を電波で走査し、滑走路上の異物発生を検知し正確な位置情報を通報することができる。
レーダーで検知した異物の位置情報により、即座に超高感度カメラで画像を撮影し、管制塔に伝送。500メートル離れた滑走路上にある3センチ程度の金属片を検知してから画像を伝送するまで、10秒ほどで行うことができるという。
そもそも実証試験システムは、総務省の「リニアセルレーダーシステム(滑走路面異物検知システム)の海外展開を通じた周波数の国際協調利用促進に関する調査の請負」を日立国際電気が受託したことの一環。マレーシア空港ホールディングとクアラルンプール空港、マレーシア工科大学との技術協力により実現した。
日立国際電気は実証実験システムをマレーシア側の組織と協力して構築。マレーシアに構築した実証実験システムと成田空港に構築済みの実証実験設備を利活用し、ASEANをはじめとする世界各国の空港運用機関への広報活動と実用化を推進することを目指す。