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活況呈するドローン市場、近い将来にはM&Aや撤退加速?
厳しさ増す競争環境、早くも生き残り競争激化へ
ドローン業界は今、空前のブームに沸いている。新産業として日本国内外で高い注目を集めるドローン産業には、多様なプレイヤーの参入と多分野での応用によって活況を呈しており、”物流ドローン元年”となる今年、その火は一層激しく燃え上がりそうだ。一方でこんな予測もある。フロスト&サリバンの航空宇宙・防衛部門リサーチディレクターのマイケル・ブレイズ氏は、「将来的には業界内のM&Aによって、特定企業がドローン市場から撤退する動きが加速するだろう」と予測した。ブレイズ氏によると、「高価格のドローン・プラットフォームを展開する新規参入メーカーは、次第に競争を増す市場で、厳しい競争を強いられることになる」との見通しだ。
さらに、「中国のDJIが商用ドローンで圧倒的なシェアを有している。同社の価格設定次第で、競合企業のマーケットシェア獲得は、極めて困難なものにするだろう」との見解も示しており、市場は成長していくものの、早くも生き残りをかけた厳しい競争が繰り広げられることになるだろうとの見通しを示した。
ドローン操縦者需要が劇的に減少と指摘
2020年までに商用ドローン50%が自動化
ブレイズ氏はさらに、2022年までに商用ドローンの50%以上がその飛行を自動化するだろうとの予測も示した。昨今、日本国内では旺盛なドローン需要からドローン操縦者不足が課題となっている。そのため各地でドローン操縦者を養成するスクールが誕生しているが、ブレイズ氏は「ドローンの自動化が将来進むことに伴い、ドローン操縦者のニーズは今後劇的に減少する」との見通しを示した。
そうした一方、2022年までにドローン産業は、携帯電話と同様に、特定アプリケーションに対応したハードウェアプロバイダ、オープンソースのソフトウェア・プロバイダ、センサーメーカーで構成されるだろうと市場機会を予測。さらに、「ドローンの規制は概ね、目視で操縦者から飛行物体が完全に確認できる範囲内での飛行のみが許可されていて、荷物の発送や長距離モニタリングといった用途での利用が大幅に制限されている。もし、このような利用が一度許可されれば、ドローン市場は著しい成長を遂げるだろう」との見方を示した。