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JAL、長距離への展開視野に新LCC設立検討
アジアや欧米路線で成田拠点に20年開始か
日本航空(JAL)が、新たなLCC設立へ検討していることを明かした。新LCCにおいて、長距離路線にもネットワークを拡大することを視野に入れ、将来的にはアジア、欧米などにに展開することが見込まれる。一部報道では、成田空港を拠点として2020年の運航開始を目指し、準備を進めていくという。
周知の通り、JALは豪・ジェットスターと手を組んで、成田空港をベースにジェットスター・ジャパンを傘下に抱えている。ジェットスター・ジャパンは2012年7月に運航開始後、着々とネットワークを拡大しており、現在では国内12都市17路線、国際4都市9路線を運航するまでに拡大。フリート規模も22機となっている。営業収入は2017年6月期ベースで528億円、純利益も4億9800万円を計上するなど、事業を成長させている。
日本の空におけるLCCのシェアは2016年現在で、国内線で9.7%、国際線は18.9%にまで拡大している。2012年3月に就航したピーチ・アビエーションを皮切りに、ジェットスター・ジャパン、バニラエア、春秋航空日本、そしてエアアジア・ジャパンら5社が運航中だ。こうしたLCCの就航によって、「成熟しきった」とみられていた日本の航空旅客数は、増加に転じており、新たな需要の掘り起こしを図ることに成功した。
旺盛な訪日需要を背景に、引き続き成長余力は残されているものとみられるものの、少子高齢化の社会構造の現在、その成長に残された余力は決して多くはなく、フル・サービス、LCC、そして中堅キャリアによる激しい需要の争奪戦が繰り広げられていくことは想像に難くない。
※写真=JALは長距離を視野に入れたLCC設立を検討する