ウイングトラベル
観光戦略会議、スノーリゾート活性化策議論
インフラ投資支援や外国人対応強化など要望
政府は5月20日、31回目となる観光戦略推進会議を首相官邸で開催した。今回は、スノーリゾートの活性化に関して有識者からヒアリングを行った。有識者からは日本のスノーリゾートが持つ潜在性が高いことを指摘した上で、リゾート地の着地整備に関する投資支援やインストラクターの外国人対応強化などを求めた。
観光戦略実行会議では今年2月以降、地域の新しい観光コンテンツの開発について議論を行っており、これまでに城や寺社への宿泊やグランピングに関して議論を行ってきた。そうした中で今回はスノーリゾートの活性化について意見交換が行われた。
冒頭に観光庁から、いわゆる「コト消費」において、スキーやスノーボードの1人当たりの旅行支出が22万5000円となり、長期滞在や消費拡大に向けての有力なコンテンツとなってきていると説明。一例としてニセコでは外国人スキーヤーの増加に伴いホテルの開発などがすすみ、地域の雇用や定住人口が増加した点を紹介した。この好事例を踏まえて、こうした効果を全国に波及させるためには国際競争力のあるスキーリゾートに向けた改革を推進し、横展開が図っていくことが重要であるという考えが示された。
現在の課題として、スキー場への投資拡大、インストラクターを含めた多言語対応強化、在留資格の緩和、ナイトライフの拡充、優先的な財政支援やゴンドラなどの新設に対して政府系金融機関からの出資・融資の検討を求めた。
菅官房長官「対外発信手法や規制見直し検討」
最後に菅義偉内閣官房長官が「日本の雪が海外から高い評価を受けており、リゾートの強化によってさらなる外国人旅行者の誘致が可能である点について説明してもらった。一方で外国人対応や設備の老朽化など課題もある。今後は政府としても着地整備に意欲的に取り組んで行くとともに、対外発信やスノーリゾート発展に対して障害となる規制の見直しについて、政府としてもしっかりと検討していきたい」という考えが示された。