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米訓練区域の形状変更へ、民間機の飛行経路移設
7月18日から施行、経路間隔を拡大し首都圏増枠に対応
防衛省は5月17日開催の日米合同委員会で、千葉県南側沖の排他的経済水域(EEZ)に所在する米軍訓練区域「チャーリー区域」の形状変更に合意したことを発表した。同区域の形状変更は、7月18日から施行する予定。それに併せて、成田および羽田の首都圏空港を発着する航空機の飛行経路も変更する計画だ。これは首都圏空港の年間発着枠の増枠に向けて行う施策の一つ。同区域を通過する首都圏空港発着機の飛行経路を変更することで、2020年までに予定しているそれぞれ4万回ずつの増枠に対応する。
この度の米軍訓練区域の変更と、飛行経路の変更に当たっては、首都圏空港の運用に直接的な影響はない。空港の運用自体は、7月18日以降も従来どおり。この措置は、首都圏空港の増枠に向けた準備としての位置付けで、新たな飛行経路へ移行することによって、誘導空域の拡大や着陸待ちのための待機ルートを増やすことが可能となる。そのため、来るべき2020年の首都圏空港増枠によって、より密になることが想定される航空交通量に対して、ゆとりを持った飛行経路を確保することができるという。
※図1=現行および変更後のチャーリー区域(提供:防衛省)
高度制限のない訓練区域を南側へ移動
上空通過の民間機経路も移設可能に
現在米軍が訓練で運用するチャーリー区域は、台形のような形状。北西側に上底約16キロ、南東側に下底約75キロ、面積が約3700平方キロメートルとなっている。これに運用空域の高度制限が3段階で設定されていて、海面から約2.7キロ(9000フィート)まで、約3.7キロ(1万2000フィート)まで、高度制限なしとなっている。
※図2=変更前後のチャーリー区域のイメージ。面積が拡大し、空域の制限高度も増すことになる(提供:防衛省)
※図3=形状変更に伴う成田発着ルートの変更例(提供:防衛省)