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2019.05.22

WING

エアバスCCO、ボーイング検討中のNMAをけん制

A330neoやA321neoが価格柔軟性などで顧客ニーズに合致
 
【仏トゥールーズ発:伊藤学】エアバスのクリスチャン・シェアラー最高営業責任者(CCO)が5月21日(仏現地時間)、仏トゥールーズ本社で開催したメディアイベント(イノベーション・デイズ)において、ボーイングが市場投入の検討を進めているNMA(New Midsize Aircraft)に対して、「顧客にどのような利益をもたらすものなのだろうか」と持論を展開してけん制。エアバスとしては、A330neoやA321neoいったと製品ラインナップによって、価格の柔軟性などの観点から顧客である航空会社のニーズに応えることができるとの見方を示した。
 シェアラーCCOはエアバスがA220という新たな武器を手にした経緯に言及。ボンバルディアからA220を手に入れてエアバスの製品ラインアップに組み込むことに成功したとして、開発リスクを抑えて自社の製品ラインナップを拡大したことに触れた。一方でボーイングのNMAについては「エンジンは今風なものを搭載することになる」などとの見方を示しつつ、膨大な開発費を要するなどリスクが大きいなどとして、ボーイングのNMAの競争力に疑問を投げかけた。
 シェアラーCCOは「我々は単通路機でありながら驚くべき経済性と広胴機の航続距離を有するA320およびA321のエンジン換装(A320neoファミリー)とA330のエンジン換装(A330neo)という大きく成功しているプログラムを有する」とコメント。ペーパープレーンからの開発ではなく、成熟した機体のエンジン換装としたことで、価格に柔軟性が生まれたことを強調した。

 

市場は「かなりポジティブ」
米中貿易紛争懸念も今年の納入数890機目標

 

※写真=ボーイングのNMAをけん制するクリスチャン・シェアラーCCO