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2019.05.28

WING

防衛省が「ヘリサット」を採用

三菱電機と初度費10億円、1式3億円余で契約

 防衛省がヘリコプターから画像情報を通信衛星へ直接送信する「ヘリサット」を採用したことがわかった。防衛装備庁が去る3月に「回転翼衛星映像伝送システム」の名称で、初度費10億2816万円、1式3億9749万円でそれぞれ三菱電機と契約している。
 防衛省では従来、陸上自衛隊が「ヘリコプター映像伝送システム」(通称ヘリ映伝)により、ヘリから撮影した映像を一旦地上に伝送し、それから通信衛星経由で東京に伝送している。ヘリ映伝システムは5個方面ヘリコプター隊のUH-1Jに搭載し、遠隔地や山間部など直接地上局に伝送が難しい場合のため、中継装置を搭載したUH-1J中継機とペアで運用されることも多い。大規模災害時などにいち早く災害現場に進出して、映像を首相官邸などに伝送する。ヘリ映伝機はスクランブル待機に就いている。
 このヘリ映伝システムでは、山間部や高層ビルの多い都市部など、地上通信が難しい地域が存在することが従来から明らかにされている。また、独自の全国通信網を保有しない消防庁や国土交通省は、既に消防ヘリ、防災ヘリに「ヘリサット」を搭載している。

 

※写真=国土交通省九州地方整備局の防災ヘリ「はるかぜ」に搭載された「ヘリサット」。ローター手前のドームが衛星通信アンテナ(提供:九州地方整備局)