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2019.05.29

WING

防衛省、陸型イージス調査で秋田・山口へ説明

安全確保措置を実施、安全な配備・運用可能と結論

 防衛省はイージス・アショア配備のため、これまで秋田県および山口県の地元で調査を行ってきたが、調査完了に伴って原田憲治防衛副大臣が、5月27日に秋田県、翌日28日に山口県で説明を行った。調査の結果、住民の安心・安全を確保する対策を踏まえた上で、新屋演習場(秋田)とむつみ演習場(山口)では、イージス・アショアを安全に配備・運用できると結論した。
 新屋演習場においては、イージス・アショアが発するレーダー波は、周辺住民への健康に影響を与えないものであり、ペースメーカーをはじめ医療機器に対する影響もないとした。秋田空港発着の旅客機や、ドクターヘリ、防災ヘリの運航にも影響を生じさせない。配備地域は、万全の警備体制を構築するとして、いかなる事態にも地域住民を守り抜くと説明した。
 むつみ演習場配備に関する説明では、新屋演習場と同じくレーダー波の健康影響、ドクターヘリや防災ヘリの運航影響などはないとした。また、地下水など水環境への影響については生じさせないとし、迎撃ミサイルのブースターを区域内へ落下させる措置を確実に講じると説明した。さらに、配備周辺地域に対して万全な警戒態勢を構築するとした。
 秋田県への説明では、イージス・アショアのレーダー波が地上に照射されないように、事故や操作ミスを防ぐ機能を付与するという。照射できる方向を予め制限して、万が一、地上方向へ照射される操作が行われた際には、電波照射を停止する機能を付けることとする。また緊急ヘリなどの運航に当たっては、連絡調整の手続きを定めるとして、バックアップの連絡体制も含めて構築する措置を取る。

 

山口県には人家との間に700メートルの緩衝地帯

 

※図=秋田県新屋演習場と陸上型イージスの配置案。基本的な配置で設計変更はありうるとしている(防衛省より秋田県に提出した資料による。秋田
県庁HPより) 

※図=山口県むつみ演習場と陸上型イージスの配置案。秋田県同様に一部変更の可能性はある(防衛省より山口県に提出した資料による。山口県庁HPより)