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2019.06.03

WING

SJAC大宮会長、企業連携の深掘り「国・企業にとって重要」

大プロジェクトを共同で取り組みは「大事なスキーム」

 日本航空宇宙工業会(SJAC)の大宮英明会長(三菱重工取締役相談役)は5月31日、総会前の記者会見において、予てより持論を展開している日本国内の航空機産業の連携について、「国にとっても、企業側にとっても非常に良いことではないかと思う」と話し、あらためて国内航空機産業の「連携」を深めていくべきとの認識を示した。
 大宮会長は、これまでも経済産業省の産業構造審議会などの場を通じて、国内航空機産業の「連携深掘り」論を主張。今回の記者会見でも、「経営の観点からいえば、日本は同業他社がどこの産業でも多い。例えば電力では日立と三菱重工が連携して世界的に戦えるようになった」と振り返りながら、「あれと同じようなことが(航空機産業でも)重要ではないかと認識しいてる。機体、エンジンメーカーが一体的に一つの大きなプロジェクトで共同で取り組んでいくということが大事なスキーム」と主張した。

 将来戦闘機、F2経験者在職中の早期開発を
 
 また将来戦闘機に関して、「産業界としては、F-2戦闘機開発経験者がかろうじて在職している早期に開発に着手されることを要望する」と述べるなど、国内開発の早期着手の要望書を受けて、新中期防に「我が国主導の開発に着手」と記載されたことや、X-2先進技術実証機、XF9-1エンジンの試作などで得られた技術を活かして、開発着手を重ねて要望した。F-2開発には大宮氏自身も一部携わったが、経験者はここ何年かでいなくなると述べ、開発着手が喫緊の課題であることを強く訴えた。
 大宮会長は「戦闘機は我が国主導で開発することが非常に大切」と主張。「最先端の技術を有した飛行機を日本国内で自衛隊が長期に運用するということで、そのための技術基盤と生産基盤を我々民間側が支えていくことが、日本にとって大事なこと」との認識を示しつつ、「日本国内になかなかない一部の装備品や部品のようなものは、我々が主体性をもった上で、諸外国製品を活用することはあると思うが、長期運用の過程において、能力向上を図ることや後方支援、整備をするなどの技術的なデータを確実に国内に留めて、確実に自衛隊の運用を支えることが大事」と、国内主導型の戦闘機開発の重要性を訴えた。
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