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新近SAMと新基地防SAMの情報提供企業を募集
陸自、空自の将来的取得可能性に備える
防衛装備庁はこのほど、「新近距離地対空誘導弾(新近SAM)及び新基地防空用地対空誘導弾システム(新基地防SAM)」に関して、情報提供企業を募集する公示を行った。6月28日までに情報提供意思表明書の提出を求めている。陸上自衛隊が将来的に取得する可能性のある新近SAMと、航空自衛隊が将来的に取得する可能性のある新基地防SAMについて、将来の取得方法検討のため、輸入等代替案分析に資するものとして関連情報を求めるもの。
現在、陸自の近SAMとしては、93式という高機動車に携帯SAMを8発装備したものが配備されている。一方、空自の基地防空SAMは81式短SAMがまだ残っているほか、その後継として、陸自の11式短SAMと同一の誘導弾の発射機をより小型の車両に搭載した基地防空用SAMの配備が始まっている。陸自の93式は旧式化して代替更新がいずれ必要とみられる。空自の基地防空SAMは各航空基地への配備分の取得が終わっていないが、取得価格が高く装備化のペースが遅い。発射機車両は高機動車で小型だが、レーダー車が別に必要でこれは大型トラックを使用するなど、システム構成も機動性が高いとは言えない。今後、巡航ミサイル防衛をも可能とする新近SAMのシステムを空自も採用する可能性を踏まえて、検討されることになるものとみられる。
※写真=93式近SAM。ミサイルを発射したところで、ミサイルそのものは91式携帯SAMを使用している(提供:陸上自衛隊)