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来春から成田で顔パス搭乗、「OneID」でスムーズに
NEC、2025年に空港「OneID」を全国展開で200億円
日本電気(NEC)は、パスポート、搭乗券、顔情報などの生体情報を紐づけた新しい搭乗手続き「OneID」を、成田空港で2020年春から開始する。チェックイン時に、パスポート、搭乗券、顔情報などの生体情報を紐づけることによって、その後の手荷物預け、保安検査、免税店などの店舗における物品購入、そして搭乗ゲートにおいて、パスポートや搭乗券を提示する必要がなくなり、「顔パス」によるウォークスルーで航空機に搭乗することができるようになる。
NECと成田国際空港会社(NAA)によれば、全日空(ANA)、日本航空(JAL)と協力して、まずは成田空港第1・第2ターミナルで、この新しい顔パス搭乗をスタート。成田空港国際線の約28%に相当する約500万人ほどの旅客が利用することができる見通し。NAAの濱田達也常務取締役は処理能力向上について、「1.5倍くらい向上するのではないか。場合によっては2倍くらい目指すことができるのでは」と、「OneID」導入による空港の更なる高効率運用に期待を寄せている。
またNECは、大阪万博が開催される2025年までに、日本国内各地の空港へ展開することを目指しており、空港内の「OneID」として事業規模およそ200億円を見込む。
ただ、この「OneID」を適用することができるフィールドは、何も空港に留まるものではない。NECは将来的には街中へと広げていくことを目論んでおり、まずは東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に、訪日外国人旅客などを対象にして都内のホテルやコンビニエンスストア、店舗などを対象に、「OneID」を使ったスマートシティ・サービスを展開することを目指す。空港から外に出て街中へと適用範囲を広げることができれば、その事業規模は文字通り「協力店が増えれば、掛け算的に拡大する。(事業規模は)計り知れない」(NEC:受川裕執行役員)ものとなるとのことで、今後利用する加盟店を探っていく方針だ。
「OneID」をオリパラのレガシーに
出入国は従来手法で利用できず
懸念はプライバシー問題?
厳格セキュリティで運用
街中で顔パスサービスが実現も
二次交通、免税処理や医療など多分野で応用
※写真=顔認証技術を使った「OneID」によって搭乗がスムーズに。写真はチェックイン時にパスポート情報と顔を紐付けしているところ
※写真=セルフバゲージドロップも顔認証で
※写真=搭乗ゲートもウォークスルーによる顔パス搭乗