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ANA機、エアコン不具合で重大インシデント
優先降下要請も通常着陸
全日空(ANA)は6月4日、去る6月1日の米国サンノゼ発成田空港行きのANA171便(787-8型機:JA828A)が、飛行中に空調および与圧システムといったエアコンシステムの不具合を示すメッセージが表示されたことを明らかにした。このため運航乗務員は管制機関に対して、降下の優先権を要請。高度1万フィート(約3000メートル)まで降下。高度1万フィートへ降下した後には、客室内の気圧が安定したことから、宣言していた優先権を解除し、成田空港に通常着陸した。この件について、国土交通省は重大インシデントに認定した。
国土交通省によると、当該機は6月1日4時32分にサンノゼを離陸し、飛行中に2つある空調系統の双方が相次いで不作動となったことを示す計器表示があった。そのため緊急事態を宣言して高度約3000メートルまで降下したという。
国土交通省は2つの空調系統の双方が不作動となったものであることから、航空機の航行の安全に障害となる複数の故障に準ずる事態として、重大インシデントに認定した。運輸安全委員会は航空事故調査官4名を調査に派遣することを決定している。