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デルフト工科大とKLM、「V字」型全翼機で研究協力に合意
A350XWB比で20%燃料消費低減、既存の空港にも適合
デルフト工科大学とKLMは6月2日(現地時間)、ソウルで開かれていた国際航空運送協会(IATA)の年次会合において、航空輸送をより持続可能性のあるものとすることを、双方で目指すことに合意した。この合意によりKLMは、デルフト工科大学が打ち出した「Flying-V」構想の研究をサポートする。
デルフト工科大学の「Flying-V」は、その名が示すように「V」字型の全翼機だ。全翼機形状であることから、客室および貨物室、そして燃料タンクはすべて翼の内部に収める設計で、軽量な構造となるとのことで、エアバスが開発したA350XWBと比較して、およそ20%燃料消費を抑えることができるとしている。ちなみに「Flying-V」は現存する最も燃料効率に優れたターボファンエンジンを活用するとし、現設計ではケロシンによって飛行するとしている。ただ、一方で今後の技術開発によって、電気を取り入れたハイブリッドエンジンなどといった技術を活用することも視野に入れているという。
デルフト工科大学によれば、機体の全長は55メートルと、A350XWBよりも長くはならないとし、全幅も65メートルと、全長と同様にA350XWBよりも短いとしている。ちなみに、高さは17メートルという設計だ。これにより、一見すると、既存の空港インフラには適合しないかと思われるが、全長・全幅を抑えることで、既存の空港インフラを活用することができるように設計するとしている。
※画像=独特な形状を有する「Flying-V」(提供:デルフト工科大学)
※画像=A350XWBよりもコンパクトな設計で既存インフラにも適合(提供:デルフト工科大学)
※画像=燃料消費を現在の最新鋭機A350XWBを20%上回ると試算した(提供:デルフト工科大学)
※画像=「Flying-V」を正面から見たイメージ(提供:デルフト工科大学)
※画像=真横からみた「Flying-V」イメージ(提供:デルフト工科大学)