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2019.06.06

WING

消えゆくボンバルディアの旅客機事業

三菱重工がCRJ買収交渉、ボンバルディア「複数企業と協議」

 世界の航空機産業の三大拠点を築いたカナダのボンバルディアから、いよいよ旅客機事業が消えようとしている。三菱重工がボンバルディアのリージョナルジェット事業である「CRJ」の買収に向けて、ボンバルディアと交渉協議を行っていることが明らかになったためだ。三菱重工は「当社グループが発表したものではない」としつつも、「ボンバルディアのリージョナルジェット機事業について交渉を進めているのは事実」と、「CRJ」事業の買収交渉を進めていることを認めた。
 一方、ボンバルディアは最近、CRJプログラムの戦略的な選択肢を検討することを発表しており、「CRJ」事業の買収を示唆。三菱重工による買収検討報道がなされた後、ボンバルディアはそのステートメントで、「潜在的な複数の相手方との協議に繋がる可能性がある」と買収交渉について触れつつ、「ボンバルディアはCRJプログラムに関して三菱重工と協議中」とコメントした。その上で、現段階では「これ以上コメントしない」とし、両社が合意に至るまでには、ボンバルディアの経営陣によるさらなるレビューと分析のほか、ボンバルディア取締役会による承認が必要なことに加え、一方の三菱重工も独自のレビューおよび分析、そして承認プロセスを完了しなければならないとしている。
 ここ最近ではボンバルディアがエアバスに「Cシリーズ」を売却して、「Cシリーズ」が「A220」としてエアバスの製品ラインナップに組み込まれたほか、エンブラエルとボーイングがボーイング主導型のジョイント・ベンチャーを形成するなど、世界の航空機産業は再編が進みつつある。そうしたなか、一人取り残されたかたちの三菱航空機を擁する三菱重工は、ボンバルディアの「CRJ」を取り込むことで、業界生き残りをかけることになりそうだ。

 

Cシリーズから狂い始めた歯車

 

Qシリーズはロングビュー傘下に売却完了
デ・ハビランドの名称復活

 

※写真=ボンバルディアのリージョナルジェット「CRJ」シリーズを三菱重工は手に入れるのか

※写真=「Qシリーズ」はロングビュー傘下のロングビュー・エアクラフトに。同社は名称をデ・ハビランド・エアクラフト・カナダとしてQ400の生産およびサービスを継続する