WING
ジェネラル・アトミクス、壱岐でガーディアンの国内初飛行
3時間のフライトを実施、海洋観測や海難救助支援など実証
ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ(ジェネラル・アトミクス)は5月10日、壱岐空港において遠隔操縦無人機「ガーディアン」を使用した実証実験を開始した。同社によると、壱岐空港の滑走路を午前11時20分に飛び立ち、約3時間のフライトを実施して、壱岐空港に帰還した。
実証実験は1回当たり5時間のフライトを10回程度行う予定で、気象・災害・海洋観測支援のほか、海難救助支援、航空・通信・産業利用支援といったミッションを目的としたデータ収集を行う計画だ。さらに、飛行データは民間航空機が飛び交う国際民間空域における無人機飛行許可制度の確立を支援するために、関係機関に提供する。ちなみに、長距離飛行することが可能な中大型無人機クラスの機体を、民間企業が遠隔操縦で飛行したのは日本国内では今回が初めて。
ジェネラル・アトミクスは今後約3週間に亘って実証実験を行う計画。同社が壱岐に持ち込んだ「ガーディアン」には、長距離用海上探索レーダー、自動補正光学赤外線ビデオカメラ、短距離空対空レーダーを含む衝突防止システムといった各種レーダーを搭載。これは米国の国土安全保障省がメキシコ湾や太平洋上の海上監視ミッションに搭載しているものと、ほぼ同様の構成だ。
ジェネラル・アトミクスのリンデン・ブルーCEOは「このプロジェクトの実現にあたり、多大なご協力を頂いた壱岐市長、及び関係省庁、関係自治体にお礼を申し上る」とコメント。「大型遠隔操縦無人機を日本の海洋環境で使用することによって、貴重なデータが取得できると確信している。収集したデータを、今後の研究に役立てて頂けることをとても楽しみにしている」と、今後実施していく実証実験の成功に自信をみせた。
一方、壱岐市の白川博一市長は「この度、日本初となる遠隔操縦航空機の実証試験が、実りの島壱岐で行われることを大変ありがたく思う」とし、「様々な平和的な利用、例えば海難時等の災害支援や海洋等の観測、調査、研究など国境に位置する離島にとって極めて重要な内容であり、さらに壱岐市の国内外へのPR、交流人口の拡大など、壱岐市で行われる意義は極めて大きい」と実証実験の意義を強調。「実証試験にあたっては、関係省庁、長崎県、関係機関・団体そして地域住民皆様の多大なご理解、ご協力を頂きましたことに心より感謝申し上げる。実証試験が所期の目的を達成いたしますことを心より祈念している」とコメントした。
なお、日本におけるファーストフライトは当初は5月9日に行う予定だったものの、現地の天候が悪い日が続き、9日も強風だったことなどから準備が整わず9日のフライトは見送られていた。
※写真=壱岐空港を飛び立った「ガーディアン」(提供:ジェネラル・アトミクス)
※写真=壱岐空港をタキシングするガーディアン(提供:ジェネラル・アトミクス)
※写真=ジェネラル・アトミクスは3週間に亘り壱岐空港を拠点に実証実験を行う(提供:ジェネラル・アトミクス)