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ボーイング、777Xの2020年商業運航開始に暗雲?
GE9Xで部品摩耗、初飛行が今年後半までずれ込み
【仏パリ発=伊藤学】ボーイング民間航空機部門トップのケビン・マカリスター最高経営責任者(CEO)が6月17日(仏現地時間)に記者会見に臨み、開発中の777Xの初飛行が、今年後半へと大きくずれ込む見通しにあることに言及した。
777Xは737MAXの事故の影響で、当初3月13日に予定していたロールアウト式典を急遽キャンセルして、同日夜に社員向けにひっそりとロールアウト。しかしながら、その後3カ月以上経った現在でも、飛び立っていない。その問題の主因は搭載しているGE9Xエンジンだ。
GEアビエーションが開発・生産するGE9Xにおいて、予想を超えるエンジン部品の摩耗が発見されたことで、部品の再設計や各種試験、そしてエンジン部品の交換作業に時間を要することが主因だ。
マカリスターCEOはプログラムのスケジュールを見直すことについて、「現時点では時期尚早」とコメント。あらためて「年内に初飛行を実施して、来年には商業運航を開始する予定だ」との認識を示した。通常であればロールアウトから数週間ほどで初飛行を実施することから、明らかに777Xは初飛行が遅れてはいるものの、ボーイングとしては年内初飛行、そして来年の商業運航スタートという姿勢は現時点で崩していない。
マカリスターCEO、737MAX問題で陳謝も
※写真=777XはGE9Xの部品における摩耗が想定以上であることが発覚。初飛行は今年後半にずれ込むことに。ボーイング民間航空機部門トップのマカリスターCEOは来年の商業運航開始という姿勢は崩していない