ウイングトラベル
ANAHD株主総会に1972人参加、株価対策など質問
飲酒や787エンジン問題陳謝、20年成長へ課題解決
ANAホールディングス(ANAHD)は6月21日に都内ホテルで定時株主総会(第74回)を開催し、提案した第1〜4号議案がすべて可決された。今期総会は、株主が前年度よりも258人多い1972人が会場を訪れた。質問者数こそ前年より2人少ない14人だったが、開催時間は12分長い2時間26分で、グループの株価対策やネットワーク戦略などを中心とした説明が行われた。
ANAHDは、問題となっている飲酒問題と、前期に欠航便発生の原因となった787エンジン問題にとくに時間を割いて説明を行った。ANAHDの片野坂真哉社長は「多大な心配と迷惑をおかけした」と陳謝し、全日空(ANA)社長の平子裕志取締役は問題の概要を説明する中で「飲酒問題は航空業界全体の問題だ」とした上で、ANAグループの対策について述べた。
株主からの意見では、ANAHDの株価を懸念する声が聞かれた。このところ株価の下落が続いており、過去2009年と2012年に行った増資を振り返って、今後の公募増資の実施計画について質問した。ANAHDは、2020年の首都圏空港増枠に向けて設備投資に力を入れるが、そのための増資による株式の希薄化を懸念したかたちだ。
質問に片野坂社長は「総会後の増資計画はない」と回答。さらに現在では1兆円を超える自己資本によって投資を行っていると説明した。株価の分析としては、「令和になってこれまで株価が十数%下がっている」と話すと、その影響に米中貿易摩擦が関係していると説明。また、イラン問題をはじめとして原油価格が上昇していることも影響しているとのこと。ANAHDでは、ヘッジによって価格の高騰に対応しているものの「原油価格が上がると、航空会社の株価は市場原理で揺さぶられる」と説明。その上で、株価対策については「今後も安全と品質を守り、業績を上げていくことで株価に反映したい」と述べた。