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2018.05.15

ウイングトラベル

エボラブルアジア、DeNAトラベルを12億円で買収へ

2社合計の取扱高1400億円、2000億円目標に

 エボラブルアジアは、DeNAトラベルを12億円で買収し、100%子会社化する。5月14日にDeNAと基本合意し、5月31日に譲受する予定。取得対価の12億円は現金で、自己資金での買収として、借入や資本での調達は行わない。
 DeNAトラベルは1979年7月設立、資本金1億円、従業員数260名(17年3月31日時点)。海外航空券や海外旅行分野に強みを持ち、直近の2018年3月期通期の連結取扱高は前期比13.0%増の706億円、過去5年間では連結取扱高を約2倍に拡大している。
 ただ、本紙5月11日号で既報の通り、DeNAトラベルで2017年3月期以前における一部取引にかかる原価計上漏れ等が判明。18年3月期にその修正を行ったことから、DeNAの旅行サービスを含むEC事業の売上収益は前期比16.3%減の160億5000万円、営業利益は77.3%減の4億8400万円と、大幅な減収減益となっていた。
 一方のエボラブルアジアは、国内航空券に強みを有し、2018年9月期に取扱高700億円を見込んでいる。DeNAトラベルの子会社化により、両社合計の取扱高は1400億円となり、今後は2000億円まで拡大させることをめざす。
 子会社化に伴うメリットとして、相互の強みを補完する総合OTAとして商材の一層の拡充が図れることを挙げている。エボラブルアジアは国内線全キャリアグループと認可代理店契約を保有するほか、DeNAトラベルは国際線フルサービスキャリア37社と直接契約、国際線LCCキャリア15社とAPI連携している。
 相互顧客へのクロスセルも行う。会員数は、エアトリ会員52万人、DeNAトラベル会員202万人の計254万人。法人出張顧客はエボラブルアジア1273社とDeNAトラベル1388社の計2661社に拡大する。
 また、コスト削減策として、ボリュームディスカウントによる仕入コスト削減や、開発の効率化および共通化による開発コストの削減、人的リソースの相互補完などを行う。
 なお、DeNAトラベルの子会社化によるエボラブルアジアの業績への寄与について、2019年3月期の業績寄与見込みとして取扱高735億円、売上高56億円、EBITDA5億円と予想した。ただ、これはDeNAトラベルからの入手資料をもとにした暫定的な数字として、今後の精査で変更の可能性があるとした。

 

エボラブルアジアのホームページ

 

DeNAトラベルのホームページ