ウイングトラベル
タイ観光大臣、地方の観光誘致政策強化へ
自然や文化資源を訴求、公共施設整備も推進
タイのウィーラサック・コースラット観光・スポーツ大臣は5月12、13日に東京・代々木公園で開催されたタイ・フェスティバルにあわせて来日し、本紙などとのインタビューに応じた。ウィーラサック大臣は、日本人を含めた外国人観光客誘致促進に向けて、自然や文化、スポーツなどを切り口としてタイの地方部の魅力を訴求していく取り組みを強化していく考えを示した。さらに、地方部への観光客受け入れ体制強化に向けて、観光施設や駅を始めとした公共施設の整備に関して積極的な投資を行っていくことを明らかにした。
ウィーラサック大臣は「昨年は世界から約3500万人の外国人旅行者が訪問してくれて、大変うれしく思っている」と述べ、タイへの訪問客が増加傾向となっていることを高く評価した。
そうした中で、今後の外国人観光客誘致促進に向けた取り組みとして「バンコクやチェンマイといった主要都市への訪問だけでなく、これまで訪問したことのない地方やアクティビティを積極的に訴求していくとともに、タイの持つ多様性をアピールしていきたい」と述べた。
多様性に関するプロモーションとしては「自然や文化を中心にアピールをしていきたい」とウィーラサック大臣は強調する。「タイの熱帯雨林では、多彩な動植物を見ることができる。また、近くの町や村では料理や装飾品など独自の文化も育まれている。是非、トレッキングなどをしながら訪れてもらいたい」とした。
安全や品質向上などハード面の取り組みも強化
観光施設のバリアフリー化や医療施設拡充推進
これとあわせてスポーツツーリズムについても積極的に力を入れていく考えを示した。一例としてウィーラサック大臣は「北部のブリラムでは今年二輪車レースの『MotoGP』が開催されるほか、南部では自転車レースの国際大会が開催される。さらに、タイ各地では多数のマラソン大会が開催されている。これらのスポーツイベントが行われているエリアでは、遺跡や歴史資源なども多く存在しており、スポーツと文化を一緒に楽しんでもらえるとうれしい」と述べた。
このほか、ハード面では、安全面や品質向上に関する取り組みを強化していく考えを示した。具体的には、地方部における医療施設の拡充や観光施設のバリアフリー化。さらに、高速鉄道の整備にあわせて、高速鉄道の駅を観光の拠点として機能強化を図る取り組みにも力を入れていき、地方への誘致促進を図っていく方針だ。
日本人増加へ若者と女性ターゲットのプロモ強化
また、日本マーケットについては、若者や女性をターゲットとしたプロモーションに力を入れていく考えを示した。ウィーラサック大臣は「若い世代を中心に、なにか新しいことにチャレンジしたいと考えている人は是非タイを訪れてもらいたい。タイが持つ多様性を感じてもらうことで、新たな成長につながるはずだ」と強調した。また、
女性が楽しめるような観光資源も数多く存在する。特に「日没後の楽しみ方を積極的にPRしていきたい」と述べ、ナイトライフ関連のコンテンツに対するプロモーションに取り組んでいきたい考えを示した。
さらに、日本で開催されているタイ・フェスティバルの観光への効果についても触れた。ウィーラサック大臣は「タイ・フェスティバルは、実際に訪れる前に、タイの魅力を体験してもらえる非常によい機会であると思っている。今年は特にまだ紹介されていないタイの観光地や文化に着目してもらえるような取り組みに力を入れた」と強調する。
タイ・フェスティバルは現在、東京、名古屋、大阪で開催されている。ウィーラサック大臣は「今後は日本の地方都市からの観光客誘致を図っていく上でも、フェスティバルの開催地を広げることができればよい」と述べ、3都市以外でタイの観光や文化をPRできる場を広げていくことに強い意欲を見せた。
加えて「日本人の観光客は非常にクオリティが高く、われわれも学ぶべきところが非常に多い。今後も日本人の観光客に満足してもらえるような取り組みに力を入れていきたい。また、ホスト役であるタイの人たちにも観光客を受け入れることで満足度が高まるような環境作りにも取り組んでいき、お互いが幸せになれる状況を生み出していきたい」と強調した。
※写真=東京・代々木公園で開催された「タイ・フェスティバル2018」の模様
※写真=タイ・フェスティバルに来場したタイのウィーラサック・コースラット観光・スポーツ大臣