ウイングトラベル
Ctrip日本事業強化、5年後に取扱規模2倍に
三井住友カード、銀聯と提携しカード発行
中国の大手オンライン旅行会社であるCtrip.comインターナショナル(Ctrip)は日本での事業を強化する。三井住友カード、銀聯国際の2社と提携し新たにクレジットカードを発行。カード会員の獲得を通じて、日本の旅行者に対する認知度拡大を図るとともに、旅行商品だけにとどまらず、旅行中の消費に直結するサービスを充実させていく考え。そうした取り組みにより、今後5年間で取扱額を現状の2倍までに引き上げることをターゲットとして、事業成長を図っていく方針だ。
Ctripは1999年に事業をスタート。航空券・ホテル・鉄道などの旅行に関するオンライン予約サービスを軸に海外のOTAやメタサーチ企業とへの資本参加を通じて事業を拡大。現在中国では、マーケットシェア65%以上を占める世界最大のオンライン旅行会社となった。また、海外市場向けには「Trip.com」というグローバルブランドを導入。現在、日本語を始め世界13カ国語のサービスを展開。提携ホテルは世界200カ国120万件、航空券のフライトは200万ルート、5000都市を網羅している。会員数は世界で3億人を突破している。
日本では2014年に日本法人を設立。東京、大阪など国内6カ所に事務所を構えているほか、日本国内の宿泊仕入れなどを行う法人も設立している。
ホテル予約で最大10%の割引特典を付与
カード発行でTrip.comの認知度アップ狙う
今回は日本におけるTrip.comの認知度向上を図り、事業拡大の一助とすることを狙い、日本でクレジットカード「Trip.comグローバルカード」を発行することにしたもの。Ctripが中国以外でクレジットカードを発行するのは今回が初めてとなる。
発行にあたっては三井住友カードと銀聯国際の2社と提携。中国を始めとしたアジア圏で利便性の高いカードの実現を目指した。
Trip.comグローバルカードはTrip.comのホテル予約で利用できる最大10%の割引コードを付与する。また、桜シーズンやゴールデンウィーク期間に行う各種割引セールを先行案内する。このほか、対象ホテルでのレイトチェックアウトや無料岩盤浴など、提携施設におけるタイアップサービスや最高2000万円の海外・国内旅行傷害保険を付帯する。今年12月末までは海南航空の優先チェックインサービスも提供する。さらに、カード利用に応じて貯まる「ワールドプレゼントポイント」
5月15日に都内で行ったTrip.comグローバルカード発行に関する記者会見に出席したCtripの孫潔(ジェーン・スン)CEOは「日本市場は2020年までにオンライン旅行市場が年率15%ずつ伸びていくという調査報告があるなど、今後の事業拡大を図っていく上で非常に重要な市場として位置づけている」と指摘。そうした中で「日本人ユーザーが旅行を計画する時にまず最初にTrip.comが頭に浮かぶようにしていきたい」と強調した。
日本における認知度拡大策の取り組みの1つとして、クレジットカードの発行を決めた。孫CEOは「今回、三井住友カード、銀聯国際と提携してカードを発行することができ非常にうれしく思っている。カード発行枚数は将来的に100万枚まで引き上げられればよい。また、クレジットカードを新たに発行することにより、従来のオンライン旅行商品販売だけにとどまらず、カードを活用して旅先での旅行消費の拡大につながるサービスも展開できればよいと考えている」と将来構想についてこのように述べた。
一方、三井住友カードの久保健社長は「今回Ctripがパートナーとして当社を選んでくれて非常にうれしく思っている。今後はTrip.comを利用する個人旅行者や海外へ出張するビジネスマンを中心に訴求できればよいと考えている。今回銀聯とも提携を図ったことで、中国を始めアジア各国での利用率や加盟店が増加している。そうしたことから、アジア市場に強いカードを発行することができたのではないか」と述べ、今後は、アジア市場を意識しながらカード会員の拡大を図っていきたい考えを示した。
※写真=「Trip.comグローバルカード」の発行を紹介する関係者。写真左から銀聯国際の王立新副総裁、Ctrip.comインターナショナルの孫潔CEO、三井住友カードの久保健社長