WING
空自警備犬、不明者救出も「人犬一体」で活躍
災害現場で頼れる嗅覚、早期発見で増える「救える命」
入間基地の基地業務群管理隊警備犬管理班長の大久保英一1等空尉はWINGのインタビューで、全国に多数配属されている航空自衛隊警備犬のなかでも、国際救助犬の資格を持つ犬が全国で4頭在籍していると説明。さらに資格を保有する警備犬が増えれば「近年増加している自然災害で被災地の不明者捜索・救助に貢献することができる」と話した。去年夏には、平成30年7月豪雨と、9月の北海道胆振東部地震が立て続けに発生し、全国で土砂災害などの大きな被害が発生した。その中で空自の警備犬は、初めてとなる災害派遣でがれきの中から不明者を探し出した。このときは警備犬によって、広島県への派遣で5人、北海道への派遣で8人を発見。災害現場での有効性を全国へ知らしめた。
国際救助犬の資格は、国連に加盟するNGO団体「国際救助犬連盟(IRO)」が認定する。災害現場などで捜索・救助を行う犬にとっては必要な資格になる。しかし現在、訓練を積み重ねた警備犬のなかでも資格を取得した警備犬が4頭のみとなっている。この事実から考えれば、取得条件の厳しさが想像できよう。今後日本では、自然災害の増勢が懸念される。資格を取得した警備犬を増やすことができれば、災害への派遣機会も増え、それだけ救える命も増加することになるのだ。
ハンドラーは冷静沈着たれ
警備犬の任期は8-9歳
※写真=ハンドラーは警備犬の意識を高揚させて、不明者の捜索に向かわせる