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日本電波工業、高精度ガス計測センサを海外で本格販売
JAXAと共同開発、アウトガス由来物質の汚染対策に
日本電波工業は7月12日、と宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で開発した高精度ガス計測センサ「Twin-QCM」を、海外における本格的な販売をスタートしたことを発表した。日本電波工業とJAXAが共同開発した高精度ガス計測センサ「Twin-QCM」は、真空環境下において宇宙用材料などから放出するアウトガスを計測するためのもの。
アウトガス計測の分野では従来、水晶振動子センサによるQTGA計測法が用いられ、参照用センサと計測用センサの差分を計測することでアウトガスの付着量を計測。センサ温度を制御することで、物質の付着・脱離特性から何のガスかを同定していた。ただ、2つの水晶振動子センサ間の特性差や温度差が、高精度な計測を妨げる要因となっていた。
そこで日本電波工業とJAXAは共同で、独自のツインセンサ技術に基づく新型のコンタミネーション計測センサの研究開発に取り組み、その開発に成功。Twin QCM(Quartz Crystal Microbalance:水晶振動子式微小天秤)センサは、1枚の水晶振動子センサ上に参照用電極と計測用電極を設けたツインセンサ方式のため、従来品の課題であったセンサ間の特性差や温度差のバラつきの問題が解消することができるものとなった。